DrFetus氏の解析データによると
スキュレーは「慈愛の抱擁」という同名のスキルを2つ持っていて、以下の条件で使い分けている。
どちらも腕依存の全体壊攻撃で、HP50%以下になってから使い始めるという点は共通しているが
それぞれダメージ倍率と命中率に違いがある。
実際に壊撃の守り×3を装備したVIT99の前列キャラで攻撃を受けると
(1)では39、(2)では52という倍率に則したダメージが確認できる。
命中率については、実際にこの通りかどうかは未検証。
参考として、解析データによるスキュレーの行動パターンは以下の通り。
ターン初めの状態をみて上から順に条件分岐し、使用スキルが決定される。
(確率はこちらで小数点以下を四捨五入したもので、厳密な値ではない)
使用条件 | 使用スキル | ||
---|---|---|---|
メイン | サブ | 確率 | |
HPが初めて 50%以下になった | 慈愛の抱擁(1) | ||
HPが25%以下 | パーティのうち1人でも 脚封じ・睡眠・混乱・盲目・麻痺 | 慈愛の抱擁(2) | |
それ以外 | 25% | クライソウル | |
38% | 慈愛の抱擁(2) | ||
28% | 這い寄る触手 | ||
9% | 六つの罪 | ||
HPが50%以下 | パーティのうち1人でも睡眠 | 49% | クライソウル |
51% | 通常攻撃(睡眠のキャラ狙い) | ||
それ以外 | 25% | クライソウル | |
38% | 子守唄 | ||
28% | 慈愛の抱擁(2) | ||
9% | 通常攻撃 | ||
それ以外 | パーティのうち1人でも睡眠 | 24% | クライソウル |
76% | 通常攻撃(睡眠のキャラ狙い) | ||
それ以外 | 25% | クライソウル | |
38% | 這い寄る触手 | ||
28% | 子守唄 | ||
9% | 通常攻撃 |
参考資料:DrFetus氏のPastebinより
EO2 Boss AI(ボスキャラのAI、スキュレーは135行目〜172行目)
EO2 Enemy Skill Data(敵スキル一覧、慈愛の抱擁は195行目と196行目)
最初に使う慈愛の抱擁だけ命中率が高めに設定されている理由としては
5人パーティなら素の状態でもだれか当たる程度の命中率にすることで、プレイヤーに対して
「命中率は低いが当たるとヤバイ攻撃」と認識させる、といった意図があったのだと思われる。
ダメージ倍率が低めなのは、命中率を上げた分のバランスを取ろうとした形に見える。
(ただし、命中率5%でも15%でも素の状態で一度に3人くらい当たるときは当たるし
到達時点のパーティだと、ダメージ倍率90%のクライソウルでもほぼ一撃でやられるため
ダメージ倍率150%と200%の違いもあまり機能していないように感じる。
開発期間の短さからして、意図したものと実際の効果のギャップを確認する余裕がなかったのかもしれない。
あるいは、はっきりとは現れないレベルの効果を目指したとするなら、これが本来の想定通りともいえる)
そして、なぜわざわざスキュレーのみこのような特別措置がとられたかの理由としては
世界樹の迷宮シリーズで初めて回避不能と低命中率スキルを組み合わせた戦法を使う敵であり
なおかつクリアする上で必ず倒さなければならないボスであるところが大きいと思われる。
プレイヤーにとっては未知の戦法でも、対策を講じるためのヒントとして察しをつけやすいように。
(同様の戦法の使い手として、先に出会うサラマンドラについては
到達時点ではその戦法を見る前に獄炎の吐息で全滅するし
クリアまでに倒さなくてもよいおまけボス的存在のため、そのような配慮が必要なかったと考えられる)
もちろん、単なる設定ミスの可能性もある。
まず(1)と(2)の2種類の慈愛の抱擁を作り、最初はすべて(1)を使うように設定していたが
あとから(2)の方がいいと思い直して、(1)から(2)へ修正していったものの
行動パターン最上段の(1)のみ変え忘れた、それだけの話かもしれない。
しかし、HPが50%以下になると優先して1回使うといったように
あえて慈愛の抱擁をお披露目する行動パターンを組んでいるからには、少なからず上に近い意図があったと考える。