主にGameFAQs内の情報から、世界樹の迷宮2における
おおよそのTEC依存ダメージの計算式を導出するページです。
防御値や術式攻撃力といった名称は自分でつけているだけなので、各自で適当に置き換えてください。
GameFAQsのスキルガイドによると、攻撃側のSTRに依存するダメージの計算式は
こちらが敵に攻撃する場合だと下記の通りになる。各括弧内では計算を終え次第、小数点以下を切り捨てる。
各種倍率の計算順序・丸め方に関しては詳しく確認しておらず、最終ダメージの式は暫定的なものとする。
攻撃値 = {自STR + (武器攻撃力 / 6)} * (20 + 自STR) * {20 + (武器攻撃力 / 3)}
防御値 = (20 + 敵VIT) * (20 + 敵VIT)
基本ダメージ = {(攻撃値 / 防御値) * 1.7}
最終ダメージ = (基本ダメージ * 各種倍率) + 乱数
こちらが攻撃される場合、(武器攻撃力 / 3)がSTR、VITの一方が(防具防御力 / 3)に置き換えられ
最終ダメージに0.8が乗算される。
味方側では100単位、敵側では80単位のダメージで乱数が増加するため、乱数まで0.8がかかっているものとする。
攻撃値 = {敵STR + (敵STR / 2)} * (20 + 敵STR) * (20 + 敵STR)
防御値 = (20 + 自VIT) * {20 + (防具防御力 / 3)}
基本ダメージ = {(攻撃値 / 防御値) * 1.7}
最終ダメージ = [{(基本ダメージ * 各種倍率 ) + 乱数} * 0.8]
術式など攻撃側のTECに依存するダメージ計算式も同じような構成で記載されているが
実際に与えるダメージとは一致しないため、以下適当に調べた。
スキルガイドのTEC依存ダメージの項ではこちらが攻撃を受けるとき
防御値が(20 + 自VIT) * {20 + (防具防御力 / 3)}と書かれているが、実際にはTECと防具防御力の上昇で
こちらの被ダメージが軽減されるため、(20 + 自TEC) * {20 + (防具防御力 / 3)}を書き間違えたと思われる。
敵が攻撃を受けるとき、(防具防御力 / 3)がVITに置き換えられ
(20 + 敵TEC) * (20 + 敵VIT)が防御値として計算されると推測。
自VITの上昇によってダメージが低下する現象について、スキルガイドでは一切触れられていない。
世界樹の迷宮2Wikiでは「モンスターのVITを参照する箇所を自身のVITにしてしまったと思われる」と
考察されており、それが正しければ(20 + 敵TEC) * (20 + 自VIT)が防御値として計算されるはず。
しかし実際は敵TEC・敵VIT・自VITのどれが上昇しても、こちらが与えるTEC依存ダメージが減少する。
敵 | 敵TEC | 敵VIT | ダメージ |
---|---|---|---|
ひっかきモグラ | 6 | 8 | 27 |
毒吹きアゲハ | 12 | 8 | 23 |
マイマイダイオウ | 12 | 12 | 20 |
敵ステータスはEtrian Odyssey 2 Enemy Dataより抜粋。
TEC8、VIT3、氷マスタリーLV1のアルケミストが氷属性1倍の敵に氷の術式LV1で与えるダメージは
ひっかきモグラと毒吹きアゲハの間では敵TEC、毒吹きアゲハとマイマイダイオウの間では
敵VITの上昇により軽減されていることを実測。
自VIT | 森マイマイ TEC6 VIT7 | オオサボテン TEC7 VIT10 | 毒吹きアゲハ TEC12 VIT8 |
---|---|---|---|
5 | 52 | 45 | 42 |
6 | 51 | 45 | 42 |
7 | 51 | 45 | 42 |
8 | 51 | 43 | 41 |
9 | 51 | 43 | 41 |
10 | 48 | 43 | 41 |
11 | 48 | 43 | 41 |
12 | 48 | 42 | 39 |
13 | 48 | 42 | 39 |
14 | 47 | 42 | 39 |
15 | 47 | 42 | 39 |
16 | 47 | 41 | 38 |
17 | 47 | 41 | 38 |
18 | 45 | 41 | 38 |
19 | 45 | 41 | 38 |
20 | 45 | 39 | 37 |
42 | 37 | 33 | 32 |
上記の表はTEC16、氷マスタリーLV1のアルケミストが氷属性1倍の敵に氷の術式LV1で与えるダメージ。
自身のVITが4ずつ上昇するたびにダメージが減少している。敵TEC・敵VITに比べると減少率は緩やか。
(自VIT / 4)がダメージ計算式のどこかに紛れ込んでいる可能性はあるが
ダメージを減少させる要素が3つも存在するとなると、具体的な式は見当がつかない。
とりあえず「etrian odyssey 2 alchemist bug」と検索したところ、手掛かりとなる記述を
GameFAQs内の掲示板にあるA look at Alchemistというトピック内に見つけた。
ここではTerence氏が#6において「術式ダメージを計算するとき、攻撃側のVITが敵の防御に使われる」ことを仄めかし
他の人の質問に答える形で#12にその仕組みを述べている。
Well, it's the Attacker's VIT that's factoring in, which is what seems to be the bug. It's essentially taking 25% of your VIT and adding it to 75% of their TEC, and that's the basic defensive stat used. (It then does a few other things like adding in armor and the like... of course, since monsters don't have armor, it just adds *their* VIT in as well).
I think what was supposed to happen was that 25% of their VIT would be added to 75% of their TEC. So really, this bug is *helping* the player more than hurting: Alchemist VIT isn't very high, and most endgame monsters will have much more VIT to bring to bear. But the difference it makes won't be huge.
A look at Alchemist #12より引用
意訳すると「自VITの25%が敵TECの75%に加えられ、守備上の統計値として使われる」
「それから防具防御力(防具防御力を持たないモンスターはVIT)が加わる」とのことで
前者は防御値における(20 + 敵TEC)の部分、後者は(20 + 敵VIT)の部分を指していると思われる。
これが防御値に使われる敵TECの25%分を自VITの25%に置き換えることを意味しているのならば
こちらが術式で敵に攻撃するときの防御値は下記の通りになるはず。
防御値 = [20 + {(3 * 敵TEC + 自VIT) / 4}] * (20 + 敵VIT)
ちなみに実際には検証していないが、2つのステータスを25%と75%ずつ使用するというのは
ガンナーの属性ショットにおける命中率の計算式にも見られるらしく
GameFAQs内のAnswersではTECの25%とAGIの75%が使われると書かれている。
上で割り出した防御値を使い、それ以外はスキルガイドに記載されている通りに
こちらが与える術式ダメージを計算すると、実測値のちょうど2倍程度に収まっている。
よって計算式における最終ダメージに0.5を乗算することにした。
攻撃値 = {自TEC + (術式攻撃力 / 2)} * (20 + 自TEC) * (20 + 術式攻撃力)
防御値 = [20 + {(3 * 敵TEC + 自VIT) / 4}] * (20 + 敵VIT)
基本ダメージ = {(攻撃値 / 防御値) * 1.7}
最終ダメージ = (基本ダメージ * 各種倍率 * 0.5) + 乱数
術式攻撃力はスキルガイドのSpell Powerを指し、術式スキルごとにそれぞれ数値が設定されている。
加えて単体強術式や核熱の術式などは1.5倍のダメージ倍率が設定されており、最終ダメージに乗算される。
例によって各種倍率の計算順序・丸め方に関しては詳しく確認しておらず、最終ダメージの式は暫定的。
この計算式で実際のダメージと一致するか、上で実測した自VITの変化に対する森マイマイへのダメージから確認。
自TEC = 16
術式攻撃力 = 23(氷の術式LV1)
敵TEC = 6
敵VIT = 7
各種倍率 = 1.02(氷マスタリーLV1)
自VIT | 攻撃値 | 防御値 | 基本ダメージ | 最終ダメージ | 実測値 |
---|---|---|---|---|---|
5 | 41796 | 675 | 103 | 52.53 | 52 |
6〜9 | 702 | 100 | 51.00 | 51 | |
10〜13 | 729 | 96 | 48.96 | 48 | |
14〜17 | 756 | 93 | 47.43 | 47 | |
18〜20 | 783 | 90 | 45.90 | 45 | |
42 | 945 | 74 | 37.74 | 37 |
表の最終ダメージは(基本ダメージ * 1.02 * 0.5)の値を端数処理せずそのまま載せている。
これらの値を小数点以下で切り捨てすると、計測した範囲では実測値に一致している。
上で実測した自VITの変化に対する毒吹きアゲハに与えたダメージも
同じ形式で計算すると実測値に一致する。
しかしオオサボテンに与えるダメージに関しては、計算した値と実測値でずれが生じている。
自TEC = 16
術式攻撃力 = 23(氷の術式LV1)
敵TEC = 7
敵VIT = 10
各種倍率 = 1.02(氷マスタリーLV1)
自VIT | 攻撃値 | 防御値 | 基本ダメージ | 最終ダメージ | 実測値 |
---|---|---|---|---|---|
5〜6 | 41796 | 780 | 90 | 45.90 | 45 |
7 | 810 | 86 | 43.86 | 45 | |
8〜10 | 43 | ||||
11 | 840 | 83 | 42.33 | 43 | |
12〜14 | 42 | ||||
15 | 870 | 81 | 41.31 | 42 | |
16〜18 | 41 | ||||
19 | 900 | 78 | 39.78 | 41 | |
20 | 39 | ||||
42 | 1050 | 66 | 33.66 | 33 |
上の表ではダメージがずれている箇所の自VITと実測値を赤く塗っている。
オオサボテンのTECは7なので{(3 * 敵TEC + 自VIT) / 4}が整数になるのは
自VIT = 4n - 1(nは自然数)
を満たすときであり、計算では自VITがこの値に到達するたびに防御値が増え最終ダメージが減るはずだが、実測値では
自VIT = 4n
に到達するたびにダメージが減少し、全体として自VITひとつ分のずれが見られる。
防御値の式に何らかの不備はありそうだが、自VITのずれた箇所を除くと計算自体は実測値に一致しており
各種倍率がひとつ程度なら最終ダメージの式も問題ないように見える。
最後に、計算に使われる各ステータスの値が大きくなった場合にも実測値と一致するかどうか
アルケミスト一人旅のページに掲載している始原の幼子に核熱の術式で与えたダメージから確認。
スキルガイドによると最終ダメージが5以上なら乱数は下記の通り。
括弧内ごとに小数点以下を切り捨てるので、最終ダメージが100増えるたびに±10の乱数が加算される。
乱数 = ±{(最終ダメージ / 100) * 10}
実際に与えたダメージである364〜441から乱数は±40と判別でき
乱数抜きの最終ダメージは401〜404の範囲にあると逆算できる。
この範囲に計算したダメージが収まるかどうか、各ステータスの値を計算式に代入する。
自TEC = 99
自VIT = 27
術式攻撃力 = 180(核熱の術式LV5)
敵TEC = 110
敵VIT = 110
各種倍率 = 1.5(核熱の術式)
攻撃値 = {99 + (180 / 2)} * (20 + 99) * (20 + 180) = 4498200
防御値 = [20 + {(3 * 110 + 27) / 4}] * (20 + 110) = 14170
基本ダメージ = {(4498200 / 14170) * 1.7} = 538
最終ダメージ = (538 * 1.5 * 0.5) = 403
算出された乱数抜きの最終ダメージは403となり、401〜404の範囲に収まっている。
敵がこちらにTEC依存攻撃をする場合、STR依存攻撃と同じように
上記の計算式に0.8を乗算したものが使用されると思われるが、その際術式攻撃力は敵TECに置き換わるのか
それとも敵スキルごとに設定されているのか、敵VITの上昇によりダメージは減るのか
実際に確かめるには困難な点が多いのでここでは触れないことにする。
攻撃側のステータスが防御側の計算式に含まれるというのは、一見すると設定ミスに思える。
しかしバグか仕様か判断する上で、どちらにもある程度の根拠が見られる。
バグと判断する理由としては、プレイヤー側のステータスに関して
TEC……TEC依存攻撃の与ダメージ・被ダメージ・命中率とスキル回復量
VIT……STR依存攻撃の被ダメージ
TECは4つの計算式に使われるのに対し、VITは1つしか使われていない。
そこでVITの存在感を強くするためにTEC依存攻撃の被ダメージにも組み込もうとしたが
間違って相手のVITを参照してしまったという説が考えられる。
仕様と判断する理由としては、今作では起動符というアイテムが登場し
どの職業でもTEC依存攻撃を行えるようになったことに関係する。
世界樹の迷宮3・4ではサブクラスの導入によりどのメイン職業でも
回復スキルを使えるようになっているが、回復専門職のアイデンティティを保つためか
キャラクターのLVに対してTECが低いと回復量が減少するという補正がかけられている。
これと同じようにVITに対してTECが低い前衛職では起動符によるダメージが期待できず
VITに対してTECが高い後衛職、特に術式専門職のアルケミストが
最も起動符を上手く扱えるという設定を計算式で表現したとも考えられる。
いずれにせよ直接制作スタッフに訊くか、データ解析して設定ミスの痕跡を見つけるかしなければ
どちらか確定することはできないので、仮説を立てるだけにとどめておく。